今日の戯言

いやホントはですね。今日は『オカルト学院』第10話の感想を書こうと思っていたのですけどもね。まぁアレですわ。今日はちょっと気分が乗らないっつーか、久しぶりに怖い話でもしたくなったのでしてみようかと、まぁそーゆー算段なのでございますよ。まぁオカルトって意味では合ってますけど。うん、ここ暫くはですね、ここ1年弱は特に“そーゆー”事は無かったんですよ。何も見ない何も聞かない、サ○トリーピュアモルトウヰスキー山崎だったわけですよ。ほんの数年前まではちょくちょく面白い目に遭う厄介さん体質だったような気もするんすけど、ここ最近はホントにそーいった事が何も無く、「嗚呼、やはりあの頃の私は精神的に不安定だったのね。だから有りもしない幻覚や幻聴に怯えていたのだらう。れっどらーむ」とか呟いたり呟かなかったりしてたんすけど、うん、まぁ何てゆーか、そんな油断してた所に、久々にへんてこりんな目に遭遇したもんだから、さすがにちょっとビビリましたわね。ただ度肝を抜かれたその瞬間、「ぎゃん!」とか「ぐふっ!」とか「ずごっく!」とかじゃなく、「忘れてた!」と叫んだ自分はどうなんだろうと今にして思いますが。まぁアレですわ。以前、ハチの巣駆除云々的な事を書きましたが、そんなんが日常的にあるように、私が寝泊りしている作業場の裏手はすぐ山なんですね。ハチやガ、カメムシ等の害虫どもは勿論の事、キジ、ウグイス、カッコウ等の鳥類、イモリ、カエル等の両生類、キツネ、シカ、野生の馬等の獣類、ナイフを持って走り回るパジャマ姿を追いかける制服の面々等の哺乳類など、まぁ様々な生物が顔を覗かせるわけですよ頼んでもいねぇのに。んでまぁ昨晩の事、ハチってのは駆除した後でも同じ場所に巣を作る習性があるんで、それの見回りも兼ねて、懐中電灯片手に作業場の周りをぐるっと点検してたんすけど(時計周りに巡回した方が窓の施錠を確認できて良いとか云いますけど、実は警備員の“腰の左右どちらに警棒を差しているか”によっても違う為、セコムとアルソックでは巡回の仕方が逆だったりします)、その時にですね。作業場の裏手の壁、エアコンの屋外機が設置してあるすぐ脇に、一匹の蛾が居たわけなのですよ。それもかなり大きな蛾だったんすけど、まぁ「自分の顔ぐらいの大きさの蛾」なんざ悲しいことに見慣れてますので、勝手に人んちの壁で羽化してんぢゃねーよと思いつつ、殺虫剤を取りに一度作業場内に戻り、んで改めてその蛾の元に向かったんすね。…………うん、正直最初は「おや?」と思いました。発見した時と殺虫剤を手に戻ってきた時とでは、その蛾のシルエットが明らかに変わっていたのですよ。最初は普通に羽を広げた標本的な形で、今度は影が平行に2つ、靴を並べて揃えた時のような形になっていたのですね。まぁアレですね。これは「2頭居たのか?」と思うのが普通ですわよね。最初重なっていたのかと。そう思うのが普通なのですよ。まさかね、


   人の両手が張り付いているなんて思うわけ無いじゃないですか。


いや、これは何回見てもですけど、人の顔や足が壁から出てくるのも見た事ありますけど、いややっぱりアレですわ。手ってゆーのが一番怖いですよ。彫像やブロンズでも顔や足、全身像より、手だけの方が何か怖いじゃないですか。思うに最も見慣れて最も動かす事の多い部位だからって事だと思うんすよね。自由度が高い事を解ってるから。「他に危害を加えるのに最も適した部位」である事を解っているからこその、生物学的な怖さだったりするんじゃねーかとか思うんすけどね。でまぁここで驚愕しながら「忘れてた!」と叫ぶ私も傍から見たら恐怖の対象になり得るのかもしれませんが、いやでもしゃーないやんか。忘れてたんですもん、私の周辺ではこーゆー現象がままある事に。まぁそんな風に叫んだ途端、その両手は雑巾がけでもするように、揃ってす〜っと上に移動して消えたんすけど、まぁここでも普通はこう思いますわよね。「やばい! 作業場内に侵入しやがった!」 私も焦りながらそう思いました。このまま作業場内に入ったら……。うん、普通はアレですか。たぶんですけど「このまま建物の中に潜伏していて、私が寝入ったら襲い掛かってくるかもしれない!」的な事を思ったり……するんですかね? 普通の人の場合は。まぁ私の場合は違いましたけどね。「製品に異物が混入したらどうしよう!」と思いましたけどね。だってほら、私も自営業歴長いですし。手だけが現れるより幽霊より、クレームの方が一万倍と二千倍怖いですわよ。おそらく暇潰しや八つ当たり等での“謂れの無いクレーム”で、年間30ぐらいの下請け零細会社が潰れてますからね。でっかい会社の対応がムカつくってんで石を投げたとしても、でっかい会社はびくともしませんよ。壁に跳ね返った石で下請けが潰されるだけです。○○○○○にはそんな潰れた会社のご令嬢が一杯居ますからねえ……とヤバい話はおいといて、んで慌てて私は作業場内に戻りました。慌てて例の壁の「こっち側」の部屋に駆けつけたんすけど、特にこれといった…壁に穴が開いてるwとかいった事や製品に混入している様子もなく、「あのまま消えてくれたのかしら」と一応安堵したわけなんすけど、も一度ぐるりと点検して作業場内の電気を消した瞬間、例の壁と逆側、つまりその部屋の反対の方の壁、窓から、す〜っと揃った両手が降りていくのが見えたわけなんですね。それを見た瞬間、やはり「忘れてた!」と驚いたわけなんすけど、同時にこうも思いました。


   物質を通り抜けない霊的なものも居るんだね


……うん、だってそうとしか考えられないっすよ。外壁でその両手を発見し、そのまます〜っと“上に消えていった”ものと思い込みましたけど、そうじゃなくて、“壁から屋根に行った”からこちらから見えなくなったんでしょうね。そのままトタンを拭きながら屋根を越え、んでゆっくりと反対側の壁を降りていったわけですよ。うん、でまぁそのまま敷地内から出て行ったってゆーか、最初っから建物の中には入る気が無かったってゆーか、そこでようやく姿が消えたわけなんすけども、いや、それにしても吃驚した出来事でございましたわよ。あ、ちなみにその両手が進んでいった方向ですけど、うん、云うまでも無いですが、そのまま真っ直ぐに進んでいくと墓地があります。彼(彼女)が行きたい方向にたまたま作業場があったわけですね。