今日の辞世


  もののふの 猛き心に くらぶれば 数にも入らぬ 我が身ながらも


幕末・会津の女性、中野竹子の辞世の句でございます。2013年大河ドラマ『八重の桜』に、主人公・新島八重(山本八重子)のライバル役として登場するようですな。史実においては会津藩では知らぬ者がなかったと云われるほど、容姿端麗、文武両道の才女だったみたいですわね。戊辰戦争が始まって、戦勝の勢いに乗る西軍が城下に侵攻した際、「ここで自害して果てるより、照姫様をお守りするために戦いましょう」と、会津藩主・松平容保の義理の姉、照姫を守るべく、母・こう子、妹・優子らとともに「会津婦女薙刀隊」通称「娘子隊(じょうしたい)」を結成し、会津藩兵の一隊として城下から攻め進んできた長州と大垣藩の兵を相手に奮戦しましたが、戦闘の最中、不運にも流れ弾が胸を貫通し、18歳(22歳とも)の短い生涯を終えたようでございます。しかし何でしょね。不謹慎かもしれませんけど、個人的に昔からこういった“戦う女性”には、ときめきにも似た強い憧れを覚えるんですわよね。強い女性が好きなのね私。マゾなのかしら? 女の子に苛められたい願望でもあるのかしら。いや無い(反語) まぁおそらくは、学生時分にどっぷり嵌って読み耽っていた、新井素子氷室冴子の作品からの影響が強いんじゃねーかなって気もするんですけど、坂額御前や巴御前、鶴姫の活躍譚には非常に心惹かれるものがあるのでございますよ。戦いの根底にあるのが「想い人のため」なんてのが特にね。強い女性と云えば『ベルばら』のオスカルも好きでしたわねえ。そー云やオスカルも狙撃に遭って亡くなったんでしたっけ。主君の為に大軍の渦の真中を死に場所と決めて特攻する、爆散上等な男の美学も好きですけれど、気高く咲いて美しく散る、華やかで儚い女の美学にも憧れる次第なのでございますよ。