今日の戯言

疲れてるなう。……おっと失礼。ちょっと私も使ってみたかったものでね。何か「なう」って最近流行ってるんでしょ? ついったーとやらで。「今〜そうですよ」みたいに使うみたいねNOWだけに。ところで「歳、おいくつですか?」と書き込まれて、「32なう」と答えようとして「三重担う」と変換ミスったら、何か三重県知事みたいになりますわよね。まぁどーでも良いけど。ところで元・18KINの今泉さんじゃないですけど、何かこう普段の日常において偶に「云ってみてぇ〜」言葉とかございますわよね。つーても某ボーカロイドさんたちの曲『何となく言ってみたい言葉』みたいな、よく目にはするけど、実際口にしてみたら妙に心地良かった言葉とかじゃなくて、何かホントにさらっと云ってみたい言葉・台詞でございますよ。何だろな、えぇと知り合いが学生時分、体育の時間にグラウンドから鈍色の空を見上げて「……何か怪しい雲行きだな」と呟いたら、周りから「お前は少年漫画の主人公か」と突っ込まれたらしいんすけど、そーゆーのをやってみたいわけですよ。要は何かの1シーンみたいな? うん、そんな感じかもしれない。映画や漫画とかで聞いた・見た事があるような、何か妙に云ってみたくなる言葉でございますね。それもちゃんとTPOに合わせて云ってみたいの。うん、クシャナ殿下の「なぎはらえ!」とか、拳王さまの「我が生涯、一片の悔い無し!」なんてのは名台詞中の名台詞だけあって、一回は云ってみた事のある方も多いと思いますけど、アレって使用どころがかなりレアケースですわよね。まぁ実際何かの末裔になぎはらってもらう機会も、腕を突き上げて絶命する機会もそんなに無いですし。そうですね……うん……例えば……考えてるなう。…そうだ、「止まない雨は無いんだよ!」とかどう? 青春っぽくて良いよね? 使用場所としては、うん、ほら、女の子が雨が滴る校庭で泣いてるわけさ。そうさね、服装はジャージ。色はあずき色かグリーンで。ちょっと裾めくってるの。ソックタッチとか今もあるのかしら? んで上履きのままだから足元泥だらけで。ジャージだから部活の最中だったんだね。運動部。男子女子ある部活が良いから、えぇとじゃあソフト部で。うん、大型連休に『と○ドラ』観直してたから、ふと浮かんだ。その子は女子ソフト部の副キャプテンで、常に明るく元気印の女の子なのね。そもそもソフト部に入った理由は、映画『○ジャーリーグ』を観て感化されたからってだけの理由だったりする、ノリとテンションで動く子なのね。うーんと名前はカナで。んで、すらっと背が高く、部員たちの前とか普段は凛々しいんだけど、実は少女趣味のキャプテン(リョウコ)とは昔からの親友なのね。うーんと小2の時から。小中高かれこれ10年来の付き合い。よくある話だけど高校生になって同じ人を好きになったりしちゃうわけさ。相手は男子ソフト部のキャプテン(ヒロシ)で。んでまたこれもよくある話だけど「抜け駆けは無しだゾ」的な約束をしてるわけよ。不可侵条約って云った方が良いかな。何かそこそこ大げさな言い方するよね、あのぐらいの年代の子。そして高校生活最後の大会を数日後に控えたある日、授業が終わって、カナは一緒に部活に行こうとリョウコに声を掛けるんだけど、「…あ、ちょっとやる事があるから、先行ってて」とかそそくさとどっか行っちゃうのね。「怪しひ」とそこはまだ軽い感じで、同じクラスのソフト部員(ユウコ)を誘ってキャプテンの尾行とかしちゃうのよ。探偵ごっこなノリで。んで着いた先は今はもう使用されていない旧校舎のとある教室。そこに入っていくリョウコを確認してから、2人は閉められた教室の戸にぴったり付いて聞き耳を立てるわけね。そこまではギャグ展開。すると声が聞こえてくるの。男女2人の。片方は当然リョウコさんの声。そしてもう1人の男の声は……うん、先にその教室に居て待っていたのはヒロシだったわけなのですよ。親しげな会話、時折艶っぽくなる声のトーン。つまり……とっくに2人は付き合っていたわけなのですな。まぁリョウコが一方的に約束を反故にしたわけではなく、ヒロシが告白してきたってゆーのが事実なんですけど、まぁどう言い繕ったところで裏切りは裏切りなわけですね。教室の外では表情を消し、頭を戸に押し付けうな垂れるカナ。そして実は全ての事情にうすうす勘付いていたユウコはカナに何も云えず、ただ「もう行こう」とカナを促すんですね。その瞬間、弾かれたように身を起こしたカナは、ガッ、と教室の戸を開け、驚いた表情のリョウコの前まで歩いていくと、弁明をする暇を与えず平手打ちをするわけですよ。頬を押さえて倒れるリョウコ。「な! 何を…」と云ったまま、カナの頬に流れる涙を認めて何も云えなくなるヒロシ。「……嘘つき」 その暗く呟いたカナの言葉に、リョウコは一瞬身を震わせ、そして辛さを含ませた泣き顔でカナを見上げるのね。2人のやるせなく悲しい視線が絡み合った瞬間、カナは湿った空気を震わせながら「嘘つき!嘘つき!」と泣き叫ぶわけですよ。そして「アンタなんて……大っ嫌いだ!!」と血を吐くような絶叫の後、カナは教室から走り去っていくんすね。一瞬の静寂。泣きじゃくりうな垂れるリョウコと寄り添うヒロシを見やった後、ユウコはカナを追って雨が滴るグラウンドへ上履きのまま駆け出します。校庭の隅、大きな公孫樹の木の下で膝を抱えて座り込む、いつもより小さく見えるカナの姿に、ユウコは何も云わずゆっくりとその隣に腰を下ろします。「……どうしよう」 幾秒かの後、呟いたカナの言葉に、ユウコは「ん?」と優しく続きを促します。「……本当は分かってた。何時頃からか、あの2人の雰囲気が変わったのに気付いてた。ヒロシくんがリョウコに接する雰囲気が変わったのに気付いてた。リョウコがヒロシくんに接する雰囲気が変わってたのに気付いてた。そして……リョウコが私に接する雰囲気も」 カナの消え入りそうに紡ぐ声を聞きながら、ユウコは重く沈んだ空の色に目を向けます。「気が付かないフリしてた。ただ単に私の気の所為だと思いたかった。だって約束したもん! ……どっちが選ばれても、ちゃんと報告するって! どっちが選ばれても、ちゃんと祝福するって!」「……じゃあ、カナも約束を破ったんだね」 ぼんやりと暗い空を見上げたまま呟いたユウコに、カナは涙に濡れた目を瞬かせながら顔を向けます。「……気付いてたんでしょう? リョウコとヒロシくんが付き合ってる事に。ちゃんと祝福するって約束してたんでしょう? じゃあ何でしなかったの?」「……それは」「うん、確かにリョウコもちゃんとカナに付き合っている事を報告しなかった。その点はリョウコが完全に悪い。弁解の余地も無いってやつだね。でも、もう一つの約束は?」「……」 視線を雨にぬかるむグラウンドに落としながら再び静寂に沈むカナに、ユウコは一つ溜息を吐き、カナと背中合わせに座る体勢に移動すると、頭を掻きながら言葉を掛けます。「ごめん。わたし今、意地悪なこと云ったね」「……うぅん、いい」 ユウコは背中に感じるカナの体温に、一瞬くすぐったそうな表情を浮かべた後、再び小刻みに震えだしたカナの背にゆっくりともたれ掛かり、微笑むように瞼を閉じます。「……もう泣くな、副キャプテン」「でも……私……リョウコにひどいこと云っちゃって」「泣いたってどうにもならないよ」「でも……もうリョウコは私の事なんか……」「大丈夫だって」 ユウコはパッと目を開けると、雨霞にぼやける旧校舎をぼんやりと視界に捉えます。「……リョウコはもうとっくに気付いてる筈よ。自分の何がいけなかったかって事をね」「……」「リョウコは自分がヒロシくんと付き合った事で、カナを泣かせたくなかった。傷付けたくなかった。でも、そーゆーのってズルイ大義名分よね。要は自分が傷つきたくなかった。約束を破った事でカナに嫌われる事が怖かった。だから言い出せずにいたの」「……そんなわけ……」「ま、本当のところは本人に直接聞いてみたら?」「えっ?」 ユウコの言葉に伏せていた顔をパッと上げるカナ。其処には自分と同じように泥だらけの上履きに、自分と同じようなくしゃくしゃの泣き顔をしたリョウコが佇んでいる。「……ごめん、カナちゃん」「……リョウコちゃ…」 そして2人は濡れたままひしと抱き合い、わだかまりを涙と共に流すのでした。雨は何時の間にか上がり、夕焼けが2人を懐かしく照らしています。ユウコはその姿にひょいと肩をすくめると、旧校舎の玄関前で所在無さ気に佇んでいるヒロシに手を振り、笑顔を向けるのでした。「……ま、止まない雨は無いってね」

…………って、私の台詞じゃなくなってる! ユウコちゃんだよユウコちゃん! ユウコちゃんが一番美味しいとこ持ってった! それに何?! この設定! TPOがどうとか、かなり前に書いたけど、こんなケースあるか滅多に! まだ「バルス」の方が汎用性高いわ!! あと長いわ! 台詞に行くまで!! うん、アレね。これで分かったけど、私はついったーには向いてませんね。こんな長文ダラダラと書き殴る方が好きなんだもんよ。ついったーはまぁたぶん、今後もやらないでしょうね。今日のところはとりあえずそう思います。なう。