メタルスライム

いや、今日は話題が一杯あるのですよ?(挨拶)


GoogleがYouTubeを買収した件とか、随分ふくよかになった10代目カローラの件とか、音泉のサーバー不具合とか、ランティスの『ハルヒ』webラジオのサンプルレートが跳ね上がった為に回線が切れやすくなったんだけど、アホみたいに手間の掛かる方法で無理やり落とした話とか、久しぶりにTVで江端氏を拝見したから、また航空機事故かと思いきや、北朝鮮核問題の討論番組だったとか、まぁ色々話題はあるのですけれども、今日は『マリみて』新刊「大きな扉 小さな鍵」の感想を書くのですよ。一応、暗黙のネタバレ解禁日ですしね。


さて、今回最も劇的にストーリーが動いた瞳子ちゃんは後回しにするとして、まず今回の話で気になった点は、由乃んに「置いていかないでよ」とまで言わしめた、祐巳すけの急激なレベルアップでしょうか。まぁ何すかね。茶話会あたりではまだ姉になる状況が整っていない“卵”の状態でしたが、クリスマス前後の件で“幼虫”となり動き始めて、今回で“さなぎ”になったって感じですかね。瞳子にロザリオを拒否された所で、幼虫だった(幼かった)自分を一度ドロドロに溶かし、傷をゆっくり癒しながらさなぎとなって、そして今は姉として羽ばたくためにじっと雌伏している。そんな気が致しますわ。まだ“幼虫”の由乃んや、“卵”にすらなっていない乃梨子が、祐巳すけの変化に戸惑うのも当然ですわね。いやしかし『涼風』でもそうだったけど、祐巳すけが成長する時ってメタルスライムでも狩ったんじゃないかってぐらいに一気にパワーアップしますわよね。


んでまあ次に、最近頓に池澤春菜嬢化が進む(笑)由乃んですけど、中華の後はみたらし団子を食べるに違いない由乃んですけど、令に絶妙なタイミングで自転車から手を離されても、「見ててよ、あそこまで走るから見ててよ」みたいな風に、令の視界からは決して消えない距離に居る感じがすごく良いですわよね。令の方も「大丈夫かな、転倒して怪我しないかな」じゃなくて、「あそこまで真っ直ぐに走れると良いけど」みたいに、不安ながらも由乃んの成長を見守ってる気がしますわね。「黄薔薇革命」でお互いに距離感を無くし、「黄薔薇注意報」で距離感を模索して、ようやく互いにちょうど良い距離感を掴んだ。何かそんな気が致しますわ。


白薔薇の二人は・・・・・・平和な事で気苦労が絶えませんわね(笑) 静かに、本当に静かに強くなっていた志摩子と比べ、「別に他所の事なんか気にしなくても良いのに」みたいなスタンスだった乃梨子が、ちょっと前の志摩子みたいな感じになってますけど、そこはやはり「友人との互いの信頼感」によるものなんですかねえ。ある意味「祐巳すけ+由乃ん」みたいだった瞳子が心を開いたことで、これからどう変わるかなあ。・・・あ、そうだ。つーか、そのラストシーンですけどね。喪失感に苛まれる瞳子の元に乃梨子が戻ってきたってゆー展開には、まぁ満足ではありますけど同時に少し不満もありましたわ。私だったらあの場面、瞳子と手を握り合う乃梨子の後ろに可南子を立たせますけどね。うん、雰囲気の悪い椿組クラス内において、絶対的な味方が乃梨子だったのに対し、不変的な同志は可南子でしょうに。一人プチレイニーに突入してる祥子さまはあてにならないし、瞳子ちゃんにはもう一人援軍が欲しいところですよ。♪一人より二人が良い〜、二人より三人が良い〜、ですわよ。


さて、肝心の瞳子ちゃんですけどね。うん、もう逆風は吹き切りましたわよね。色々重たい問題を抱えてますけど、何だかんだ言って、瞳子ちゃんは皆に愛されてますよ。両親に祥子に乃梨子に可南子に演劇部部長に、ベクトルが怪しいのが気に食わないけど柏木に、そしてもちろん祐巳にめっちゃ愛されてますよ。あとは自分自身が一歩を踏み出すだけですわね。「Please」と一言言えば、それで事態は好転するのですよ。祐巳は羽化するのですよ。長く引っ張った分、思いっきりハッピーに祐巳と姉妹になって欲しいですけどねえ。


次巻では素直な瞳子ちゃんが見たいですわね。思いのたけを全部ぶちまけて、両親に「ばか」って叩かれて、祥子に「ばか」って叩かれて、乃梨子に「ばか」って叩かれて、可南子に「とりあえず」って叩かれて、最後に祐巳に「祐巳さまも、どうか瞳子を叩いてくださいませ」って泣きながら言って、「ダメよ。悪い子だった瞳子ちゃんの言う事なんか聞いてあげない」って祐巳に、ぎゅうううっ、と抱きしめられるのだな。うん、決まり。