ミスディレクション

由乃 「ふっ。次巻『くもりガラスの向こう側』というタイトルだけど、どうやら皆、ありがちな勘違いをしているみたいね」
祐巳 「どーゆー事? 由乃さん」
由乃 「このタイトルから、寺○聡の『ルビーの指輪』を想像する人が多いという事よ。・・・でも、それこそが作者の思う壺なの!」
志摩子 「でも、普通はそう考えるんじゃないかしら。次巻では2年の月日が流れ去っているのでは、と懸念するのも、止むを得ない所だと思うけど・・・」
由乃 「甘い! それこそが作者のミスディレクションよ。このタイトルは、一見『ルビーの指輪』と見せかけて実は・・・・・・大川○策の『さざんかの宿』を指しているのよ!!」
祐巳志摩子 「な、なんだってぇぇぇ??!!」


  くもりガラスを手で拭いて あなた明日が見えますか
  愛しても 愛しても ああ 他人(ひと)の妻
  赤く咲いても冬の花 咲いてさびしい さざんかの宿


由乃 「どう? 何となく瞳子ちゃんの心境っぽくない?」
志摩子 「・・・『向こう側』は何処に行ったのかしら?」