「あなたは知らなくてもよくってよな世界」 第1話・その5

まぁ数年前までの私は、まとまった時間が取れれば車を飛ばして小旅行に行くとゆー、「休日はモンハンかDVD観賞か寝てる」とゆー今の私と比べて信じられないぐらいの超アクティブな人間だったんすけどねw でまぁ今から数年前の夏の話なんすけど、その年は知床の方に遊びに出かけたわけですよ。まだ世界遺産になる前で静かで良いところでしたわ。とりあえず周辺の観光地っぽいところを巡って知床で一泊した後、観光客の車で混雑している国道を避け、適当に抜け道と穴場スポットを探りながら帰途に就いた(こーゆー行き当たりばったりな所が、一人旅の醍醐味ですわよね)わけなんすけども、その途中、まぁ場所は定かではないですが(おそらくは釧路湿原の近く辺りじゃないかと思うんですが)、いくら車を飛ばしても第一村人を発見できない、真夏の真昼間でも若干怖くなるような閑散とした山間に出たのですね。「おいおい、行き着く先は杉沢村かメリーさんの館じゃねーだろーな」とかぶつぶつ言いながら、対向車すら現れない山道をずんどこ進んでいったんすけども、峠を登りきり、少し酔うぐらいのぐねぐね道をしばらく下っていると、それまでの木々と山肌ばかりの殺風景な光景からいきなり、すぱん、と目の前が広がったのですよ。うん、どうやらどこぞの湖に出たわけなのですね。何てゆーか「火サスの場面転換」みたいな感じでしたわw でまぁ「おお、穴場じゃね? ここって」と、湖畔の駐車場らしきスペースに車を停め、とりあえず現在地が何処なのか、そこにあった観光案内らしき掘っ立て小屋に歩を進めたわけなのですが…… 【つづく】